シャトーブリアンは火入れで変わる|柔らかさ・肉汁・余韻を引き出す料理人の技術 2026-05-21 最終更新日時 : 2026-05-18 うしうらら 前回は、シャトーブリアンがヒレ肉の中心部分にあたる、とても希少な部位であることをお話ししました。 今回は、シャトーブリアンを扱う上で最も大切な「火入れ」についてお話しします。 シャトーブリアンは、非常に柔らかい肉です。 ただし、柔らかいということは、同時にとても繊細だということでもあります。 ここは、料理人として特に気を使うところです。 シャトーブリアンは、脂が多い部位ではありません。そのため、火を入れすぎると脂が補ってくれる、というタイプの肉ではありません。 ほんの少し火が入りすぎるだけで、水分が抜け、食感が変わってしまいます。 数秒。ほんの数度。 その違いで、シャトーブリアンの印象は大きく変わります。 しっとりとした食感になるのか。少し硬さを感じる仕上がりになるのか。肉汁を中に抱えたまま仕上げられるのか。それとも、旨みを逃してしまうのか。 シャトーブリアンは、「焼けば美味しい肉」ではありません。 シャトーブリアンは、火入れで価値が決まる肉です。 うしうららでは、シャトーブリアンを扱う時、肉の厚み、温度、状態、焼き上がりまでの時間を細かく見ています。もちろん、毎回同じように焼けばいいわけではありません。同じシャトーブリアンでも、その日の肉の状態によって火の入り方は変わります。だからこそ、シャトーブリアンを焼く時は、今でも少し緊張します。この緊張感は、悪いものではありません。むしろ、料理人として大切な感覚だと思っています。お客様に一番良い状態でお出ししたい。シャトーブリアンの柔らかさ、肉汁、余韻をきちんと感じていただきたい。そのためには、最後の数秒まで気が抜けません。「今まで食べたシャトーブリアンと違いますね」「柔らかいだけじゃなく、旨みが残りますね」そう言っていただける時、シャトーブリアンという部位の魅力を、少しでも正しく引き出せたのかなと感じます。シャトーブリアンの美味しさは、素材だけで決まるものではありません。火入れ、温度、提供のタイミング。そのすべてが重なって、ようやく一皿になります。明日は、なぜシャトーブリアンが高いのか。希少性だけではない価値の理由についてお話しします。 共有: Facebook で共有 (新しいウィンドウで開きます) Facebook X で共有 (新しいウィンドウで開きます) X いいね:いいね 読み込み中… 関連